学校に行けない子がとる手段のひとつ、保健室登校。
しかし、調べてみると
保健室登校なんてずるい!
そういった声があることも事実のようです。
今回は何故そんな声があるのか、その理由を元保健室登校をしていた私が考えてみました。
保健室登校とは
そもそも保健室登校って何?
保健室登校とは、学校の教室ではなく、保健室に通っている状態のことを言います。
保健室登校を利用している学生は精神的、また身体的不調が原因など、理由も様々。
つまりは「教室には行けないけど、保健室になら学校に来れる」という人に向けての仕組みです。
居づらい教室ではなく、保健室という居場所を提供することで学校に来やすくする、ということですね。
私も中学2年生の頃から1年間、いじめが原因で保健室登校を利用していました。
学校に行きたくない原因である教室に行かなくてもいいというのは、心理的負担も軽く、かなり学校に行きやすくなったことを覚えています。
保健室登校で何をしている?
保健室登校って結局遊んでばっかりなんじゃないの?
いいえ、そんなことはありません。
私の場合ですが、基本は保健室から別室の教室に移動し、他の保健室登校の子たちと集まって、そこで出来る限りの勉強をしていました。
やることも個人個人でバラバラで、まとまって授業を受けるのではなく、
それぞれの教科書を開いてやりたい科目を選んでやっていた感じです。
またどうしても気分がすぐれない時などは絵をかいたり保健室登校担当の先生と話したりなどして過ごしていました。
教室から出られる子は授業中の隙間を縫って(休み時間だと他の学生と出くわす可能性があるため)廊下に出てみたり、
校長室や来賓玄関に飾る花を生けることもあります。
他の学生がいない時を見計らって運動場に出て、隅でスポーツをすることもありました。
イメージとしてはとにかく個人に合わせて、学校という場所に慣らしていく感じです。
保健室登校はどうして「ずるい」のか?
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保健室登校、と検索するとサジェストに「ずるい」という言葉がでてきます。
何故「ずるい」と感じるのか、そう思ってしまうのか。
個人的に調べてみた結果をまとめてみます。
ずるいと感じる理由「特別扱いをされているように感じる」
保健室登校は良い意味でも悪い意味でも注目を集めやすいです。
先生からも気にかけてもらいやすく、プリントを出す、教室に行く、なんて当たり前のことでも褒めてもらえる。
そこが気に入らないという声がありました。
確かにいつも頑張っている人からすれば、普通のことで褒められているというのは面白くないかもしれません。
しかし人のキャパシティ、どれだけ頑張れるかは本当に人それぞれです。
人にとっては教室に行くのだって重労働で、それこそ顔を出すだなんて断頭台に上がる気分になるのかもしれません。
現に私は教室に顔を出せるようになるまで半年ほどかかりました。
人によっては「当たり前」が「特別」に変わることもあるんです。
ずるいと感じる理由「好きなことばかりをしている」
保健室登校をしている学生は好きなことばかりしていてずるい、という声もありました。
傍目から見ると、確かに好きな科目ばかり勉強できて、しかも授業中に絵をかいたりできるなんて羨ましい!と思えるのかもしれません。
しかし学校というシステムは、自分が得意でないことも教えてもらえる、教わる機会を与えられることが特徴です。
保健室登校をしている人は様々な理由で授業を受けられないので、どちらかといえば損をしている方だと私は思っています。
勉強したい、と思っても保健室登校の教室に担当の先生は来ませんし、わかりやすい解説も、質問に答えてくれることもありません。
現に私は中二の数学が全くできません。
普通に教室に行けていて、勉強ができる機会を手に入れられた人たちの方が得をしていて羨ましいと感じます。
また「好きな授業だけ出てずるい」と思う方もいるかもしれません。
けれどそれは心身の状態が回復してきたからこそ、できる範囲でやれることをやっている、のかもしれません。
保健室登校をしている人が教室に入るのは、とても大きな勇気と努力が必要になることがほとんどです。
「好きな授業ばかりに出ているずるい人」は、その場所にくるまでにたくさんの努力をしてきたということをどうか忘れないでください。
ずるいと感じる理由「行事にだけ出てくる」
遠足や運動会など、特定の行事にだけでてくるのがずるい、という声もありました。
普段の授業には出ないのに行事にだけ出てくると
楽しいイベントごとには出てくるのに教室に来ないのはなんで?
という気持ちになってしまうのも仕方がないのかもしれません。
しかし、こういった学校行事への参加は、学校自体から孤立しないように周りの先生や両親から
「これだけでも出てみたら?」
と勧められている場合がほとんどかと思います。私もそうでした。
また、こういった楽しい学校行事も保健室登校者にとっては冷汗ダラダラ心臓バクバクものであったりします。
行事に出るのも非常に勇気がいることなのです。
保健室登校はずるくない
誰でも保健室登校を利用できるわけではありません。
保健室登校をする人にはちゃんと理由があります。
また、保健室登校はけしてずるいことではありません。
保健室登校者には色んな人がいます。私と同じようにいじめられていたり、それ以外にも体質や心の問題があったりと理由は様々です。
教室にいけなくて、それでも学校に行こうと努力していて、だから保健室登校をしているんです。
なのでどうか「ずるい」という言葉で責めないでください。
保健室登校者たちは教室とは違う場所で、人によっては恐ろしくて仕方がない学校という中で、日々戦っています。
保健室登校は何してる?ずるいと思われてしまう理由まとめ
保健室登校で何をしているか、またどうしてずるいと思われてしまうのかその理由について書いていきました。
ずるい、と感じてしまうのは保健室登校でやっていることや、何故その人が保健室登校をしているのか考えず好きな面ばかりを見て想像をしているからではないでしょうか。
この記事を読んで、少しでも保健室登校やそこに通う人のことを知っていただけたら嬉しく思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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